USTREAMの時代 その2

パスクリエイトの隈元です。
前回はUSTREAMなどのライブ配信メディアの現状について見てきました。
今回はこれからの動向について考えて行きたいと思います。

USTREAMの今後の事業展開

ペイパービューとアドフリー
USTREAMは現在、広告収入などで収益を上げていますが、今後力を入れていくサービスとして「ペイパービュー」と、「アドフリー配信」があるとの事です。
ペイパービューとは、配信の視聴をする際にチケットの購入を設定することができるサービスで、アドフリー配信はUSTREAMに設定されている広告枠を外す事ができます。
こちらでは自社で作成した広告を配信することができます。(動画内で配信可)
なお、自社番組のバナー枠の販売を行う場合はアンリミテッドというプランで別途ご相談との事でした。

上記二つのサービスは、強力なコンテンツがあって配信規模があったり、ニッチだが熱心なユーザーを抱えている番組などはUSTREAMを使ってマネタイズが可能ということです。

例えばUSTREAMで年末に行われた宇多田ヒカルさんのコンサートは101カ国・地域からのアクセスがあり100万を超えるページビュー、ユニーク視聴者数も34万500人を記録したようです。無料配信だからこその規模なのでしょうが、今後の可能性を示唆した現象でした。
ミュージシャンは本来、ライブの演奏に価値があったのであり、レコーディングした楽曲で稼ぐようになったのはたかだか19世紀末のレコード産業の誕生からです。私はミュージシャンはライブとグッズで稼ぐ時代だと思っています。

例えば本日から開催されているフジロックフェスティバルなどは、多少の金額ならば支払ってでもリアルタイムで視聴したいと考える人も多いのではないでしょうか。もしくは番組を配信してバナー広告枠を販売しましょう。海外のユーザーは日本の野外フェスを見てみたいとは思わないでしょうか。
動画配信をすることでアーティストやイベントの価値が下がる(お金を支払って見に来る人が減る)ということはないのではないかと思います。
野外フェスに参加するという体験とライブの動画を観るという体験は全く別物であり、新たなユーザーを獲得するか、「ライブに参加するほどではない」という層のユーザーも取り込めるチャンスです。

音楽以外にも、アニメも可能性があるようです。ちょっと私はアニメには詳しくないのですが、土曜の深夜にアニメのサイマル放送をはじめているとのことです。熱心なファンがいるアニメのUSTREAMのみの先行配信or独占配信などで何らかの収益化は可能だと思います。国内のユーザー数は限られていますが、熱心なファンがいるコンテンツならば世界中に配信することで一定の視聴数を確保できるでしょう。

メディアを面白くするものは

補完するメディア
USTREAMなどライブ配信メディアに外せない重要な要素として、メディア補完の存在があります。
USTREAMでは右側のエリアにあるtwitterのタイムラインがまさにそうなのですが、
メディア補完についてAR三兄弟の川田十夢さんにによるAR三兄弟の企画書に面白い記述があります。

野球場にナイターを観に行った時のことです。客席には必ず、「ラジオを聞きながら試合を観ているオッサン」がいます。(中略)実は彼こそメディアの本質を熟知した人であり、正しいメディア利用を体現している偉大なる人物なのです。(中略)野球観戦を拡張するために必要な情報の一切をラジオから受け取ることができています。それを、僕は実際に野球場で追体験してみることではじめて理解したのです。
些細なことのようですが、これは凄い発見でした。

まさにこれこそがメディア補完です。
twitterのタイムラインなどはメディアを楽しむための補足情報だけではなく、動画の内容を視聴者がそれぞれ解説や感想を加えることにより、配信されている内容の理解が深まったり新たな視点を加えられたりしながらライブを体験する事ができます。これは何もUSTREAMにおけるtwitterに限られた事ではありません。ニコニコ動画における動画上のコメントや2chにおける実況中継なども本質的には同じだと思います。

映像の情報とリアルタイムのテキスト情報が合わさることで、教育や討論、講演会などでの活用が見込まれるのではないかと考えています。不明点や疑問、質問があればタイムラインに投げかける事で主催者もしくは視聴者から回答や意見が得られます。かつ、タイムラインは後に整理する事で議事録になるという効果もあり、非常に有効な学習ツールに成り得ます。

私は個人的には学習ツールとしてのライブ配信と補完メディアに興味があり、追求していきたいと考えています。新たなエンターテイメントの空間として、学習ツールとして様々な可能性を秘めているライブ配信メディア。これからの発展が楽しみですね。

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